忍者ブログ
オリジナル創作小説に関するあれこれを書き連ねる
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


 あまりにも寒いので帰りがけ買ってきた小さなストーブを点し、ふわふわのじゅうたんに横たわる。ねこを一匹抱っこすれば、もうこの体勢から動けない。時間がどんどん過ぎていく。もう帰らなきゃいけないのに、なんだか眠くなってきた。うつらうつらする。
 
「……メイ」
 
 横で座っていた青井が咎めるようにため息をつく。でも、そのまぶたもややとろんと眠たそうである。
 
「やだやだ。外、さむいぞ……でたくない……」
「……」
 
 ごろんと寝返りを打って眉間に皺を寄せもごもご言う。
 だって家に帰ったらまた、ストーブつけなおしじゃないか。ひえひえの部屋が暖まるまで待つかと思うとうんざりする。
 
「さむくて動けないもん」
 
 そしてまた猫を抱っこする。青井がまた息を吐く。青井がじゅうたんに横になる。……猫を取り上げた。
 
「あっ! 返せよー!」
「俺も、動けない」
「い、いみわかんないぞ!」
 
 ぶうとふくれる。むくれていると、どこからかもう一匹擦り寄ってきて、メイは喜んで撫ではじめた。それを見ると、青井は先ほど取り上げた一匹を放してやる。メイと一匹の猫、見守る青井。ふりだしに戻った。ぐるぐる同じ時間が巡る。メイはひどく幸福で、ずっとこのままでもいいなあなんて思ってみる。
PR

[190] [189] [185] [183] [182] [180] [175] [174] [173] [172] [171
«  Back :   HOME   : Next  »
忍者ブログ [PR]